MINISO ブラインドボックスフェスティバル:さあ、“破って”楽しむ幸せを!
すべての優れた「ブランド」は、もっと多くの人に知られるべきです。
「Produced by WSD」では、WSDが手がけたブランド事例を紹介し、プロジェクトの振り返りから戦略実行、そして学びまで、質の高いマーケティングの流れをわかりやすくお届けします。
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さあ、「Produced by WSD」にようこそ。
ブラインドボックス経済の台頭
近年、「ブラインドボックス経済」は若者を中心に注目される消費トレンドとなっています。データによると、2021年の中国における市場規模は約139.1億元に達し、2024年には300.2億元まで拡大すると予測されています。 趣味嗜好型の消費が進む中、「開けてみないとわからない体験」は、情報過多の時代において若者が「新鮮さ」と「驚き」を得る手段として広がっています。
この分野に早くから参入していたのがMINISO(メイソウ)。「ブラインドボックスといえばMINISO」という認識を定着させるため、WSDとタッグを組み、小紅書(RED/Xiaohongshu)でのマーケティングを開始しました。
世界に広がるブラインドボックス・フェスティバル
2023年7月、街に巨大ブラインドボックスが吊るされ、大きな話題を呼びました。これがMINISO初の「ブラインドボックスフェスティバル」の幕開けです。 ただし、グローバルブランドを目指すMINISOの挑戦はここから始まります。
中国市場で大きなブームとなったブラインドボックス現象を世界に広げる――その壮大な計画には課題もありました。
直面した2つの課題
グローバル認知不足
海外ではMINISO=日用品というイメージが強く、ブラインドボックスの存在は知られていません。 しかし実際には80以上の人気IPとコラボし、更新スピードも速く、価格も魅力的。ここから「ブラインドボックス=MINISO」という認識を築く必要がありました。
激化する競争
先行ブランドはファンを確立し、後発ブランドもフェスティバルを仕掛けるなど、市場は急速にレッドオーシャン化。どうすればMINISOは抜きん出られるのか?
解決策:記憶・驚き・儀式
WSDとMINISOは、グローバルに通用する「ブラインドボックスフェスティバル」を設計するため、以下の3つの要素に着目しました。
1. 記憶ポイント:「破る!」
ブラインドボックスを開ける動作を「破る」と表現。わかりやすく、スリルを伴い、イベントテーマ「幸福を破って開けよう」が誕生しました。
2. 驚き要素:「幸運は早い者勝ち」
一つひとつのボックスに「思わぬ幸運」を込め、参加者が自分だけのラッキー体験を得られるようにしました。
3. 儀式的体験:三段階のフェス設計
前夜祭:KOLの「破る動画」連鎖投稿で話題づくり。杭州では裸眼3D映像を活用。
開催期:旗艦店オープン、「破るパーティー」や生配信で熱狂がピークに。
余韻:国際的インフルエンサーと連携し、グローバルに拡散。
オンラインとオフラインを統合し、三層構造の「フェス体験」を生み出しました。
成果:世界に広がる「破る喜び」
* 小紅書で31本のバイラル記事を創出(100%ヒット率)、うち4本は10万インタラクション超え
*「MINISOブラインドボックスフェスティバル」関連ワードが急上昇し、カテゴリー検索シェアTOP1を獲得
* オフライン来場者数12,000人超、露出2,400万以上
* 売上は月次で215%増加
* さらに「第15回タイガーロア・アワード」にてゴールド受賞(応募全体のわずか1.6%のみ受賞)
* 世界各地で展開されたMINISOブラインドボックスフェスティバルは、まさに「破って喜びを広げた」成功事例となりました。
WSDからの考察
現代の若者は、商品そのものよりも 「体験」や「感情的価値」 を重視します。MINISOのフェスティバルマーケティングは、願い・驚き・遊び心を最大化し、若者の共感とブランド愛着を強化しました。
「破る」という行動をフェス全体に貫き、オンラインUGCとオフラインイベントをシームレスにつなぐことで、MINISOは「グローバルブラインドボックス旋風」を巻き起こしたのです。