2026 Xiaohongshu WILL ビジネスカンファレンス
One post, one search, one purchase
Xiaohongshu(小红书)では、こうした日常的な行動が、中国市場におけるブランドの「発見」「評価」「選択」を大きく左右するようになっています。
2025年12月22日、上海にて 2026 Xiaohongshu WILL ビジネスカンファレンス が開催されました。「コンテンツ主導のディスカバリーが、成果の時代へ」をテーマに、本イベントでは Xiaohongshu マーケティングが、単なる認知施策ではなく、測定可能なパフォーマンス成長エンジンへと進化していることが明確に示されました。

本記事では、小红书公式パートナーエージェンシー WSD の視点から、
中国ソーシャルコマース、インフルエンサーマーケティング、中国市場進出を検討するグローバルブランドに向けて、重要なポイントを整理します。
Xiaohongshu(小红书)とは?
中国市場における「購買の起点」
Xiaohongshu(又は:RED)は、中国を代表するソーシャルコマースプラットフォームです。
Instagram のビジュアル性、Pinterest の発見性、Amazon の購買導線を融合した存在として位置づけられています。
ユーザーは Xiaohongshu 上で、
● 商品を検索し
● 実体験ベースの投稿を読み
● コメントで評価を確認し
● 信頼を形成したうえで購買へ進む
という一連の行動を自然に行います。
そのため Xiaohongshu は、中国市場における購買ジャーニーの最上流として、多くのブランドに活用されています。
1. Xiaohongshu のパフォーマンスマーケティングは「人」から始まる
WILL カンファレンスで繰り返し強調されたのは、次の原則です。
成果はトラフィックではなく、人から生まれる
Xiaohongshu は、広告配信型のプラットフォームではありません。実在するユーザーが、実生活の中で得た体験を共有することで、発見と購買が生まれます。
発表されたデータからも、その強さが裏付けられています。
● 興味・関心タグ数:2,500以上
● 1日あたり投稿数:約900万件
● 1日あたりコメント数:約7,000万件
● ユーザーの1日平均起動回数:16回
● 月間2億人以上が商品検索を実施
Xiaohongshu マーケティングは、コミュニティ主導 × コマース連動という、独自のエコシステムで成立しています。
商品訴求から、生活シーン起点のストーリーへ
事例として紹介されたのが、母子栄養ブランド Biostime(合生元) です。
同社は、成分や機能の訴求ではなく、「粉ミルク調乳が日常的に面倒である」という、若い親のリアルな悩みに着目しました。
WSD の子会社 THINC(时刻互动) と連携し、この生活シーンをテーマに Xiaohongshu 上でユーザー参加型キャンペーンを展開。
結果として、ハードセールスに依存せず、フォロワー増加と自然な需要喚起を実現しました。中国ソーシャルコマースでは、商品よりも“生活の文脈”が成果を生みます。
2. 中国のインフルエンサーマーケティングは「フルファネル化」へ
Xiaohongshu において、クリエイターは単なる拡散装置ではありません。長期的なブランド成長を担うパートナーとして位置づけられています。
その背景として、クリエイター協業プラットフォーム「蒲公英(Pugongying)」 が大幅にアップデートされました。
主な強化ポイントは以下の通りです。
● 興味・関心データに基づくクリエイター選定
● ユーザー意図に沿った複数シーンのコンテンツ設計
● エンゲージメントから購買までを可視化する分析
● 発見から購入までを結ぶクローズドループ計測
これにより、中国インフルエンサーマーケティングは、再現性と予測可能性を備えたフルファネル施策へと進化しています。
3. プラットフォーム主導型マーケティングIPとは?
ブランドを「日常」に溶け込ませる仕組み
WILL カンファレンスでもう一つの重要テーマとなったのが、プラットフォーム主導型マーケティングIPです。
これは、ブランドが一方的に語るキャンペーンではなく、ユーザーの行動や会話から自然に生まれるネイティブ施策を指します。
代表的なプラットフォームIP事例
老吃家们|食通たちのリアルごはん
食通たちのリアルごはんは、Xiaohongshu が主導する公式フード系プラットフォームIPです。実際の食体験とユーザーの本音を起点に、クリエイター、ユーザー、ブランドが共創する形で展開されています。
このようなプラットフォームIPは、
● 感情的共鳴によるブランド想起の向上
● 特定のライフスタイル・消費シーンの占有
● 高品質な UGC(ユーザー生成コンテンツ)の創出
● オンラインからオフラインへの送客
といった効果を生み出します。
広告ではなく、「参加体験」として設計されている点が、中国市場における最大の強みです。
グローバルブランドにとっての示唆
2026 Xiaohongshu WILL ビジネスカンファレンスが示したメッセージは明確です。
● 人を深く理解すること
● クリエイターと長期的に協働すること
● ブランドを生活シーンに自然に組み込むこと
これらが、Xiaohongshu マーケティング成功の鍵となります。
中国市場、ソーシャルコマース、インフルエンサーマーケティングにおいて、
今日の「パフォーマンス」とは、拡散量ではなく、真正性(オーセンティシティ)の積み重ねです。
